Zatubun
| aromatherapy |  about |  zatubun |  aroma100q | diary | links | shop | top  | mail | 
ハンド・トリートメント日記
数年前、単発のバイトでハンド・トリートメントをさせていただいていました(現在はもう終了しています)。ほとんどがキャンペーンの一環で、商品を買ってくれたお客さんに無料でハンドトリートメントをしてあげるというもの。キャリアオイルにラヴェンダーなどを混ぜ、じっくりと手をもみほぐしてリラックスを誘います。

特に波乱万丈というわけではないですが、やってみて感じた事など書いています。

一話

Mさんと某地方都市へ。久しぶりのお仕事なので張り切って爪を切ったのだそうだ。それでも私に比べればまだ長い。キレイなマニキュアも塗ってあって、素爪で甘皮はぼろぼろ、おまけに小学生のような深爪の私とは大違い。生活を見直さなければとあせる。
行きのタクシーの運転手がやたらと興味を示すので、仕事の内容を説明したら「いろんな仕事があるもんだよなあ」と、お国言葉でしきりに感心していた。Mさんがえらく無口だったと思ったら、彼の手に小指がないのを見てしまったのだそうだ。我々よりよっぽど豊富な人生経験をなさってた方だったらしい。どうせならオジさんの一代記を聞きたかったわ。

足のトリートメントが先に有名になってしまったけど、手の方がずっと気軽にできるし(靴下を脱ぐ必要はない!)、同じくらい気持ちいいと思う。10〜15分ほどかけてラヴェンダーなどのトリートメントオイルで片手ずつ揉みほぐすのだけど、終わったら大抵の人が目をとろんとさせて眠くなったと言う。銀座でやった時は好評を頂いて長蛇の列で、不慣れな私は腱鞘炎になりかけた。

残念ながらここではあまり手応えのある反応が見られなかった。皆アロマもラヴェンダーも聞いたことはあるけれど、それ以上の関心は持たないようだ。従ってお客さんも少ない。無料なのに。興味を持つ人がこの町にまったくいないはずはない。今日は巡りあえなかっただけだと思う。それに幾人かは気持ち良かったと言ってくださったので、満足とする。

売り場の担当の方はめげずに熱心にお客さんに勧めてくださった。ただ言葉の選び方が少々ズレておられ、「今、あちらでハンド・サービスやってまして。よろしかったら…」。「トリートメント」が抜けている。「ハンド・サービス」だと怪しいお店みたいだ。

二話

ペアを組む相手が見つからず、一人で某市の百貨店へ。
ここで生まれて初めて、チップというものを頂いてしまった。お話がはずんで、こちらも愉しい思いをさせていただいたお客さんだったのだが、終了後にたたんだ紙幣をタオルの下にすべりこませていかれたのだ。びっくりしてお断りしたが「いいからとっておいて」と、そのままお帰りになってしまった(同性のお客さんです。誤解なさらないように)。お金そのものよりもそのお気持ちに感動し、不覚にも涙が出そうになった。

施術しながら、実は一番癒されているのは私ではないかと感じることがある。ラヴェンダーの香りと人の肌の温かさ、喜んでくれるお客さんの表情。「気持ちいいね」と言ってもらえると、自分の矮小な部分、疲れてねじくれたところなども少しずつほぐれていくような気がする。
バイト代を貰ってしまっては申し訳ないのかも…。しっかりもらうけど。

三話

都内の某デパートでハンドトリートメント。近場なので移動の手間がはぶけて楽だ。さすがにこのくらい暑くなれば、皆さん暖かい手をされているけれども、一人びっくりするくらい冷たいお客さんがあった。必死でもんでもほんのり暖まった程度にしかならない。冬には必ず手も足もしもやけになるのだそうで、お気の毒な話だった。私も子供の頃ひどく悩まされたのだけど、大人になってもなる方があるのだとは…。寒くなったら血行を良くする精油を使って「しもやけ用トリートメントオイル」を作ってみようと思う。

向かいはハーブティのお店で、とても賑わっていた。「薬のように飲むのではなく、おいしいと思うものを飲んでいただきたいのです」とお店の人がお客さんに説明しているのが聞こえてきて、アロマテラピーの「好きな香りが効く香り」説と通じるものを感じた。色も美しく、まるでポプリのようだった。

問題は高価なこと…。10g260円…。10gって1〜2回分では?

四話

今回は久々にMさんと熟女ペアを組み、都内の某ホテルでブライダルフェアのお手伝い。会場の下見とかドレスの試着とかに来た方々にハンドトリートメントのサービスをしてあげるというもの。当然ながらカップルばかりで、たまに母娘らしい二人連れを見かける程度。女性への施術がメインだろうなと思っていたら、男性でも興味を示す方が結構多くて意外だった。嬉しいんだけど男の手は厚いし硬いのでこちらが疲れる。ある程度の力をこめないとくすぐったがられるだけだし。ツボ押しの棒をくれと叫びたくなった。

それにしても皆さん幸せそうなことと言ったら…。無条件に人生で一番いい時だし。内から輝くとはこういうことかと思わせる女性も居た。正直言ってほとんどの方には癒しの必要などなかったはず。だけど確実に何年か経てば、このうちの何割か(もしかしたらほとんど?)が切実に求めることとなるのだろう(ええどうせいぢわるですよ…。ひがんでいるわけではありません…。ええ決して。)終了後の飲み屋では当然の如く痛飲。

五話

また某地方都市へ日帰り出張。前回の相棒がMさんで、今回はSさん。なんか変な冗談みたいだが、苗字をそのままイニシャルにするとこうなのだから仕方ない。もっとも二人ともとても上品な人なので、口が裂けても本人には言えない…。

なぜかここでは男性のお客さんが多かった。お客さんのほとんどが車で来るようなところなので、お父さんははずせないのだろう。最近の男性は照れずにトリートメントを受けてくださる。奥さんに見守られながらご亭主の手をもみほぐすというのも、ちょっと妙な感じ。

お客さんの一人から、最近は赤ちゃんのためのオイルトリートメント教室なんてのがあると教えていただいた。その方も体験したことはないそうだが、精油を使わずベビーオイルのようなものだけでやるらしい。何かの療法というよりコミュニケーションのためのものとのこと。赤ん坊はお母さんに触ってもらっていると安心するからということなんだろう。
子供だけでなく、大人になっても人間は触ってもらうことを欲している、というデータがあるそうだ。別に異性間に限らず、他者の体温を感じるというのは思いがけず大きな安心感をもたらすものらしい。

施術する側にとって、手の温かさというのは大事なポイントではないかと思う。技術的に上手でも冷たさの残る手でトリートメントされたのではリラックスできないだろう。施術者の手が温かく、精油の香りがお客さんの気に入ればそのトリートメントは九割方成功したも同様だと思う。運の良いことに私はどういうわけか手だけは温かい。

六話

近頃単発が多かったこの種のバイトには珍しく、4日連続のお仕事を頂いた。某公共事業系の会社の福利厚生の一環の体力測定のそのまたオマケで、社員の方々にハンドトリートメントをしてあげるというもの。
堅い会社なので、当然男性(それも年配)が結構多い。「体力測定に行ったらキレイなお姉さんに手握ってもらえるぞ」などと頼みもしないのにやたらと宣伝してくださったおじさまがいらっしゃったそうだ。「キレイ」とか「お姉さん」とか身に余るお言葉で、ありがたく思わなければいけないところだが、なんか違う…。いい気持ちになっていただけるのは結構だけれど、少し複雑な感じがする。やっぱり目的は勘違いしたいでもらいたい。

中に気になる若い女性が居た。仕事のことでかなりストレスがたまっているらしいのだが「会社の人にグチをこぼすと角が立つ、家族に訴えても同情はしてくれるがわかってもらえない、たまに時間をやりくりして会う友達にはせっかくだから嫌な気分にさせたくない」ので、八方ふさがりなのだそうだ。

本当にきついのなら、周囲にもっと甘えてもいいんじゃないかと思うのだけれど…。それができる人ならば悩まないのかも知れない。いちいちお客さんの悩みに同調していたらこちらが保たないとは思うのだけど、聞いていてなんだか辛くなってしまった。私も発散が上手な方ではないので。彼女がなにか慰めになるものと出会えることを祈ります。アロマじゃなくても。

お蔭様で結構な好評を頂き、体力測定はパスだけど、トリートメントだけやりたい、という女性が多かった。我々は大歓迎なのだが、オマケのはずのトリートメントばかり繁盛してはやはりまずいらしく、後半になるとトリートメントが目的で来たのに、いつのまにかトレーナーにつかまって体力測定させられている女性がたくさん居ておかしかった。

七話(追記として)


時々ですがここをお読みくださった方から「どうやったらそういう仕事を貰えるのでしょうか」とか「一緒にやらせてください」という類のお問い合わせをいただくことがありました。

お気持ちはわかりますが、お役に立つことはできません。お仕事をご紹介することもできません。このお仕事は当時通っていました教室の先生から本当にたまたまいただいたものでした。その先生も現在は別方面で忙しくなられており、ハンドトリートメントのお仕事は受けておられないと思います。
連続したお仕事ではなく、多いときで月に数回、基本的には数ヶ月に一回というペースでした。勿論それだけで食べていけるほどの収入にはなりません。暇な時はどうしようもないくらい暇、忙しい時にはお客様が長蛇の列で腱鞘炎になりかけこの私が食欲をなくすくらい疲れはてる、というかなりハードなお仕事でしたが、とても貴重な体験となり沢山のことを学ばせていただきました。このお仕事に巡り合えた幸運には本当に感謝しています。

アロマ関係のお仕事をしている人の話を聞きますと「知り合いから仕事が廻ってきた」というのが結構多い気がします。求人に応募してチャンスを掴んだ方もおられる一方、私のように教わった先生からバイトを紹介されるとか、意外な知人から講師の話が来たとか、人脈が役立ったケースも案外多いのです。お友達に頼まれて初心者向け教室を始められた、という方もいらっしゃいました。

人脈がなければ作りましょう。ネットの人間関係も大切ですが、お仕事が欲しいのならばオフラインでの人脈を広げた方がいいような気がします。いざ人が欲しいとなった場合、やっぱり顔を知ってる相手の方が優先されると思うのですよ。講習会、練習会等に参加して知り合いをたくさん作っておきましょう。思いがけないところからお仕事がやってくるかもしれませんよ。かと言って自分のレベルも省みず強引なアプローチってのもどうかと思いますが…。一言多いって

いただいたメールには、たいていいつもこのようなお返事を差し上げておりました。今後はこの件に関してのお問い合わせにはお返事いたしません。ご了承ください。
(2004年9月6日追加訂正)

戻る


Base template by WEB MAGIC.   Copyright(c)2000-2007 香りと暮らす All rights reserved.


SEO 仕事 母の日 無料レンタルサーバー ブログ SEO